• "県民経済計算"(/)
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  1. 山形県議会 1993-03-01
    03月10日-04号


    取得元: 山形県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成 5年  3月 定例会(第266号)平成五年三月十日(水曜日)午前十時四十八分 開議議事日程第四号  平成五年三月十日(水曜日)午前十時 開議第一   議第四十九号 平成五年度山形県一般会計予算第二   議第五十号 平成五年度山形県市町村振興資金特別会計予算第三   議第五十一号 平成五年度山形県母子福祉資金特別会計予算第四   議第五十二号 平成五年度山形県寡婦福祉資金特別会計予算第五   議第五十三号 平成五年度山形県中小企業近代化資金特別会計予算第六   議第五十四号 平成五年度山形県土地取得事業特別会計予算第七   議第五十五号 平成五年度山形県農業改良資金特別会計予算第八   議第五十六号 平成五年度山形県沿岸漁業改善資金特別会計予算第九   議第五十七号 平成五年度山形県林業改善資金特別会計予算第十   議第五十八号 平成五年度山形県流域下水道事業特別会計予算第十一  議第五十九号 平成五年度山形県港湾整備事業特別会計予算第十二  議第六十号 平成五年度山形県物品調達費特別会計予算第十三  議第六十一号 平成五年度山形県病院事業会計予算第十四  議第六十二号 平成五年度山形県電気事業会計予算第十五  議第六十三号 平成五年度山形県工業用水道事業会計予算第十六  議第六十四号 平成五年度山形県ガス事業会計予算第十七  議第六十五号 平成五年度山形県公営企業資産運用事業会計予算第十八  議第六十六号 平成五年度山形県水道用水供給事業会計予算第十九  議第六十七号 平成五年度山形県駐車場事業会計予算第二十  議第六十八号 山形県職員定数条例の一部を改正する条例の制定について第二十一 議第六十九号 山形県職員等の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について第二十二 議第七十号 山形県農村地域工業等導入地区県税課税免除条例の制定について第二十三 議第七十一号 山形県獣医師修学資金貸与条例の設定について第二十四 議第七十二号 山形県危険な動物に飼養及び保管に関する条例の一部を改正する条例の制定について第二十五 議第七十三号 化製場等に関する法律施行条例の一部を改正する条例の制定について第二十六 議第七十四号 山形県立病院条例等の一部を改正する条例の設定について第二十七 議第七十五号 山形県立病院及び山形県立診療所使用料手数料条例の一部を改正する条例の制定について第二十八 議第七十六号 山形県国民宿舎条例の一部を改正する条例の制定について第二十九 議第七十七号 山形県立職業訓練校の位置、名称等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第三十  議第七十八号 山形県繭鑑定手数料条例の一部を改正する条例の制定について第三十一 議第七十九号 山形県繭検定手数料条例の一部を改正する条例の制定について第三十二 議第八十号 山形県家畜人工授精講習会等受講手数料条例の一部を改正する条例の制定について第三十三 議第八十一号 国営土地改良事業負担金徴収条例の一部を改正する条例の制定について第三十四 議第八十二号 山形県都市公園条例の一部を改正する条例の制定について第三十五 議第八十三号 山形県港湾施設管理条例の一部を改正する条例の制定について第三十六 議第八十四号 山形県が管理する港湾の臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の一部を改正する条例の制定について第三十七 議第八十五号 山形県建築基準条例の一部を改正する条例の制定について第三十八 議第八十六号 山形県立学校施設使用料条例の一部を改正する条例の制定について第三十九 議第八十七号 山形県立学校証明事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について第四十  議第八十八号 山形県立高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例の制定について第四十一 議第八十八号 山形県立高等学校等及び小学校、中学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例の制定について第四十二 議第九十号 山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館条例の設定について第四十三 議第九十一号 山形県警察本部の組織に関する条例の一部を改正する条例の制定について第四十四 議第九十二号 山形県警察職員定数条例の一部を改正する条例の制定について第四十五 議第九十三号 山形県工業用水道料金徴収条例の一部を改正する条例の制定について第四十六 議第九十四号 当せん金付証票の発表について第四十七 議第九十五号 県道路線の認定について第四十八 議第九十六号 最上川水系に係る一級河川の指定及び指定の変更について第四十九 議第九十九号 平成五年度山形県一般会計補正予算(第一号)第五十  県政一般に関する質問本日の会議に付した事件 議事日程第四号に同じ。出席議員(四十八名)    一番 前田利一君    二番 井上俊一君    三番 渡部秀勝君    五番 渋谷耕治君    六番 阿部信矢君    七番 土屋健吾君    八番 竹田重栄君    九番 菅井源三郎君    十番 神谷 弘君   十一番 奥山静枝君   十二番 伊藤 孜君   十三番 湖山寛一君   十四番 土田広志君   十五番 山本昭雄君   十六番 松浦安雄君   十七番 高木 尚君   十八番 野村研三君   十九番 新関善久君   二十番 松野久八君  二十一番 山科朝雄君  二十二番 伊藤定夫君  二十三番 五十嵐利夫君  二十四番 三沢英一君  二十五番 飯野栄儒君  二十六番 関口 修君  二十七番 大内孝一君  二十八番 斎藤辰夫君  二十九番 三井啓光君   三十番 石垣 潔君  三十一番 木村莞爾君  三十二番 高橋源吉君  三十三番 斎藤道雄君  三十四番 松沢洋一君  三十五番 木村久助君  三十六番 土田 啓君  三十七番 小竹輝弥君  三十八番 橋本喜久夫君  三十九番 和田広弥君   四十番 守谷吉男君  四十一番 児玉 勉君  四十二番 後藤 源君  四十三番 荒井 進君  四十四番 佐藤正光君  四十五番 新目視悦君  四十六番 竹谷義一君  四十七番 伊藤耕治郎君  四十八番 後藤昭市郎君  四十九番 沼沢善栄君欠員(一名)説明のため出席した者  知事           高橋和雄君  出納長          安藤忠夫君  企業管理者        柳澤 正君  総務部長         小手川大助君  企画調整部長       花屋和夫君  生活福祉部長       山口寿男君  環境保健部長       丸子正司君  商工労働開発部長     酒井 雅君  農林水産部長       工藤正幸君  土木部長         宮下 武君  国体局長         土屋 功君  財政課長         横山五良右衛門君  教育委員会委員長     三宅高子君  教育長          木場清耕君  公安委員会委員長     水戸部知巳君  警察本部長        小林武仁君  代表監査委員       清野章次君  人事委員会委員長     古澤茂堂君  人事委員会事務局長    井上 勤君  地方労働委員会事務局次長 澁谷邦男君      午前十時四十八分 開議 ○議長(土田啓君) これより本日の会議を開きます。 △日程第一議第四十九号議案から日程第四十九議第九十九号議案まで並びに日程第五十県政一般に関する質問(代表質問) ○議長(土田啓君) 直ちに日程に入ります。 日程第一議第四十九号平成五年度山形県一般会計予算から、日程第四十九議第九十九号平成五年度山形県一般会計補正予算第一号までの四十九案件を一括議題に供し、これら案件に対する質疑と、日程第五十県政一般に関する質問をあわせ行います。 質疑及び質問の通告がありますので、通告順により発言を許可いたします。三十一番木村莞爾君。 ◆31番(木村莞爾君) かつて同志でありました布川章先生それに竹田邦蔵先生に対しまして衷心より御冥福を祈りながら、自由民主党民社クラブを代表して質問をいたします。 高橋知事、御就任おめでとうございます。あなたが今この瞬間、その席に座っておられるという事実がすべてを語り尽くしているわけであります。二月十四日の知事選挙によって本県の政治状況は激変しました。まさに地穀変動であります。マスコミはこの選挙をねじれ現象、複雑骨折、保守分裂、あるいは地域間戦争などとさまざまに形容しておりました。そしてその実態は、どんな表現よりも衝撃的でありました。私にとっては全く予想もまた期待もしなかった局面展開であります。私たちは、よりよき本県の将来と地方政治の活性化を願って最良最適の候補者と信ずる土田正剛君を擁立して戦い、力及ばず敗れました。百二十六万県民の神の声は、第四十六代山形県知事としてあなたを選んだのであります。結果として本議会第一党たる我が自民党・民社クラブは、高橋県政下の野党として位置するに至りました。この道は、我々がみずから選んだものでもあります。この二月定例会は、本来ならばまず平成五年度予算案から審議すべきでありますが、私は何よりもまず県政運営の問題が気がかりであります。自民党・民社クラブの立場についても説明をしつつ、高橋知事に若干の質問をしたいのであります。 本議会の構成は、現在、野党勢力が絶対多数派であります。救いようもなく絶望的でもあります。議会と執行部の問には飛び越えがたい断崖があり、行く手に緊張対立の荒野が広がっているかのようでもあります。しかし、私たちは、多数派対少数派、あるいは与党対野党、あるいは保守対革新というような、もはや意味を失った言葉の言葉遊びをしているのではないのであります。まさに我が山形の地方政治、その実態に即して政治をしているわけでもあります。高橋知事はさきの知事説明において、県政の運営に当たっては県民本位の対話と協調による明るい開かれた県政を目指すと言われたのでありますが、恐らく万人の目指すところ思いはそこに集約されているのであります。問題は二つであります。果たしてそうなのか、どのようにしてそれを実現するのか。残念なことに、今日の地方政治は死にかけていると言われております。地方議会は行政の風化に甘んじ、争点不在、政策論争なし、保革差まるでなしとも言われております。しかし、地方政治もまた政党政治なのであります。地方議会は、行政に対して住民代表の原理に基づくチェック機能を持っているのであります。しかも、社会には異質なもの、多様な価値観やさまざまな利害の対立などがあふれているのであります。それぞれの政党は皆そこから出発し、独自の理念と提案をひっ提げて活動してまいりました。 我が自由民主党について言うならば、民族や風土の長い長い歴史を重んじ、その中で生き続けてきた古きロマンを絶えず磨き上げ、再生しつつ自由な社会の進歩発展を願ってきたのであります。それが我が自由民主党の立党の精神であります。組織や運動もまたイデオロギー政党とは違います。極めて弾力的かつ柔軟であります。社会の変化にも対応してまいりました。政策政治手法ともに現実的でありますから、長い間、唯一の政権政党であり続けたわけであります。そういう党風でありますから、私たちは多分議論のための議論、反対のための反対とはおよそ無縁でありましょう。いついかなる場合でも、是々非々の立場に立って徹底的な討議討論を行っていきたいと考えております。また、適材適所においての政策提言を行うためにも、私たち同志は、一層深く学び合い一層強固に結集し合わなければならないとも考えております。私たちは責任野党を目指しつつ、議会に討論の風をむしろ起こさなければなりません。なれ合いあるいはもたれ合いの議会から、与野党対話型の活気ある政党政治へと、地方はまず政治からよみがえらなければなりません。その新しい議会のあり方を主導し、調整するリーダーとして私どもが推薦をした土田啓新議長は指導力、包容力、決断力に富む最高の人材だったと信じておりますが、高橋知事は執行部の最高責任者としてどのような身構え、あるいは気構えで今後の議会と取り組まれるのか、これがお尋ねをしたいことの第一点であります。 次は、板垣前知事についてであります。高橋知事も言われたとおり、県勢発展に大きな業績を残されました前知事には、全県民とともにただただ感謝申し上げるばかりであります。県会議員四期十四年、副知事十一年余、第四十一代山形県知事として五期十九年余と、一つの自治体で連続四十四年十カ月にわたって重責を担われた例は全国でもまれだそうであります。県政一筋、全身全霊をもって取り組まれながらなおやみがたい意欲と八カ月余の任期を残され、この二月二日、無念にも知事職を去って今病床におられるわけであります。一日も早く回復されて、心豊かな晩年をどうかお楽しみいただきたいものであります。 さて、その業績ということになりますと、万人が認めたとしても、その測定は不可能なわけなのであります。また、県知事といえども、行政機構の一構成員に過ぎず、あらゆる事業は組織全体で担当するわけでありますから、そこから一人の人間の力量あるいは功績を抽出することはできないのであります。そして、人間の真の評価はいつの日か歴史によって定められるしかないのであります。かつて私は、板垣県政の成功はその卓越した個性にあるとして、まず第一に行動力を指摘いたしました。知事初就任の昭和四十八年から悪夢のように繰り返されたオイルショック、あるいは米の生産調整、ドルショック、そして円高、恐らく歴代知事の中でも最も波乱と困難の時代を引き受けながら、組織の陣頭に立って東弄西定されたのであります。第二は積極性であります。特に、昭和五十年代のマイナスシーリングにおいて、逆に大型プロジェクトの構想を推進されました。高速交通網の計画や、山形庄内空港の拡張と開港、それらがすべて財政沈滞のこの時代に集中しておったのであります。第三は先見性であります。全国に先駆けての生涯教育事業東北芸工大の開学は、前知事の教育者としての感覚とその情熱がもたらしたものであります。第四は柔軟な発想力であります。地元負担で線路をつくるというだれもが思いつかなかったアイディアによって、山形新幹線は開業いたしました。そして第五に指導力であります。全国知事会副会長、東北自治協議会会長、北海道・東北地方知事会長、大規模林業圏開発推進会長として、これらのメンバーをすべて国土第二軸、地方分権の主張で意思統一させております。説得力の勝利でもあります。最後はやっぱり統率力であります。板垣県政の大きな節目となったべにばな国体では、十三市二十七町四村を一糸乱れず統率し、見事に成功されたのであります。これらの事業は紛れもなく板垣清一郎という一つの個性の決断とリーダーシップなしには全く実現しなかったか、あるいは実現してもまるで違った形をとったのでありましょう。リーダーの個性が地域社会の方向を決めるのであります。その運命を変えるのであります。 今度の知事選挙の争点の一つは、板垣県政の継承問題でありました。無論、自治体は私有財産でもなく、そして県政は永遠に連続していついかなる時代にも後任者が引き継いでいくはずのものでもあります。特定人物から特定人物へと継承する継承しないという議論自体が、ほとんど無意味だったのかもしれません。例えば、そういう前提で私お聞きするのでありますが、今後の県政の中に、板垣路線あるいは板垣構想なる政策が残り得るのでありましょうか。もしも継承が具体的な問題となるならば、それと裏腹に転換の問題もあり得るわけであります。長期短期の政策、事業、あるいは人事機構も含めて、後任者にはフリーハンドで選択する権利があるのであります。みずからのカラーを打ち出す権利があるのです。首長交代の意義はそこにあると思っております。 高橋知事は、長く板垣県政の中枢に位置し、なおかつ人間的薫陶も受けられた一人であります。その登場を一つのタイミングとして板垣県政とは一体何であったのか、引き継ぐべきは何であるのか、その検証作業もあり得るのではないでしょうか。 私たちは前に進まなければならず、そのためには先人の足跡を回顧的ではなくて前向きに確かめるべきだと思うのであります。それはまた板垣前県政の全体像を明らかにすることでもあります。例えば、名誉県民として考えることもよかろうというふうに思っておりますが、そのお考えはあるかどうかもお尋ねしたいのであります。 そして、平成五年度の一般会計予算案でありますが、実はあの予算案を見たときに私は愕然としたのであります。何と総額五千九百十四億余円、前年当初予算に比較して百六十三億余円、二・七%の減少になりました。本県では実に三十七年ぶりのマイナス予算となったのであります。確かに、前年はべにばな国体その他の大イベントがあり、一時的な水膨れ状態でもあったことは確かでありますが、商工業を中心に不況が本当に深刻化しているさなかでもあります。いわゆる、県内の消費マインドを一層冷え込ませるのではないかと私は心配であります。地方交付税国庫支出金の減少など財源の苦しさは理解できるにせよ、財政もまた人間心理への配慮があってしかるべきではないでしょうか。地方財政計画の伸び率二・八%まではいかなくとも、あと二百億円ほど捻出して前年度プラスにできなかったものかどうか。県予算は毎年記録を更新いたしております。もう六千億円時代に入ったとの認識であり、また、せっかくの新知事誕生でもありましたから、財政当局のもう一踏ん張り、知事自身政治的決断も見たかったような気がするのであります。 内容については公共事業全面受け入れの千二百三十二億余円、前年比〇・七%の増、単独事業は六百七十五億余円、十五・八%の大幅増と、それなりに景気対策の熱意は見えるのでありますが、経費節減に努めるなど堅実さはこれは認めなければならないと思っております。また、高橋知事の打ち出された施策の基本的考えがそのまま予算案の三本柱となるなど、政策即予算化の意気込みも伝わってまいります。すなわち、「明日を築く人づくりと文化の創造」、「住みよい活力あふれる地域づくり」、「未来に向けて発展する県土づくり」でありますが、このスタイルは明年以降も継続されるのかどうか、この辺もお尋ねしたいのであります。知事就任直後の慌ただしいさなか、しかも正味三日間の査定だったと聞くのでありますが、やっぱり御苦労さまと言わなければなりません。政府予算案は、七年ぶりに暫定なしの成立が見込まれ、また自民党政調会を中心に制度減税を含む十兆円規模の景気浮揚対策も予定されております。県でも早めの追加予算が想定されますので、その折、目いっぱいの財源捻出を今からお願いしておくものであります。 予算案で目につきましたのは、やはり知事の選挙公約に関連する項目でありますが、うち一点に限り説明を求めたいと思います。県民との直接対話、県政モニターの配置など、知事は県民との直接チャンネルを構想され、新規事業として県政モニター設置事業費二百二十七万九千円が計上されております。金額はわずかでありますが、将来これが県民と県中枢の直結ネットワークとして拡大されるものと承知しております。県政のトップが県民の要望や生活に触れてそのくみ上げによって必要な政策形成を行うこと、そのこと自体には私は何の異論もないのであります。しかし、かつて流行したすぐやる課式の住民サービス型、ニーズ対応型、そういうふうになるとしたら私はちょっと問題があるのではないかとも思っております。あの種の行政が住民からのサービス強要の形に転じ、結局姿を消しつつあるのが現実であります。加えて、対話集会での約束や声の大きい地域の要求を優先させるなど、行政のゆがみもまた指摘されているようでもあります。 知事が県民参加型の政治を目指されるとしたら、まず何よりも県組織の情報吸収を活性化すること、市町村との間に下意上達の風通しをよくすること、そして特に市町村議会を含む地方議員パイプ的役割を利用することではないでしょうか。自治省の実態調査によると、住民参加方式をとる全国百二十九市のうち、最も多いのが審議会であります。その審議会は六八%、市民意識調査が六三%、提言が三八%、そしてモニター制度は三・九%と最下位でもあったのであります。知事が初めから行政の既存機関、地方議員の排除を計画しているのなら話は別でありますが、地方議会の役割には行政のチェック機能と行政とのパイプ活動もあるわけであります。その思い切った利用によって地方の政党活動議員活動が強化育成されるわけであります。これは政党人、あるいは議会人としてのお願いでもあります。 さて、土木部長にお尋ねをしたいわけでありますが、一月に発表された県の道路整備五箇年計画についてであります。この基本コンセプトとしてハーモニー・アンド・ビューティー構想が位置づけられ、心から感謝申し上げる次第であります。 昨年二月の定例会では極めて大ざっぱにお願いしたわけでありますが、関係地元町村の御努力や特に宮下部長の御協力で実現に一歩近づいたような気がいたします。太平洋側から直接最上を抜けて庄内につながるコース、また仙台・置賜・小国を抜けて日本海沿岸新潟につなぐコースは、党政調でも重要な実現目標に掲げております。昨年十一月の全国政調会長会議でも千葉正美宮城県連三富佳一新潟県連の両政調会長と三県一体の推進議員連盟をつくることで合意をいたしました。関係の国会・地方議員を総結集し強力な政治交渉を展開いたしますので、整備手法の詰めやあるいは予備調査など、早め早めのアクションを期待しております。地元はどこも地域高規格道路を望んでいるわけでありますが、建設省の構想はどの程度まで固まっておるのか、最終的なコース設定はいつごろになるのか、お尋ねしたいのであります。 もう一つ、めったに地域エゴを言わない私のために、米沢道路へのアクセス調査費を計上していただいたような気もするわけでありますが、これは感謝を申し上げたいと思います。それにしてもこの五箇年計画は、道路の個性化、快適化、ネットワーク化を大幅に進めたものと理解するわけですが、同計画達成後も、それでも本県は道路の発展途上県にとどまるのでしょうか、これもお尋ねしたいのであります。今後の年次計画なども御説明をお願いいたします。 最後に、高橋知事政治手法につきお尋ねをいたします。 知事選挙では、日本社会党社会民主連合、日本新党の三党にも推されながら、選挙公報には「二十一世紀を築く県民の会推薦」としか明記されていませんでした。三党がその県民の会の構成メンバーであったのか、政党隠しのカムフラージュか、あるいはそんな小さな問題はどうでもいいのでありますが、二月二十六日知事は上京いたしました。あなたの行動は不可解であったわけであります。日本新党、社会党の党首は訪問したものの、総理官邸へのあいさつはなかったのであります。上京目的が当選お礼のためだったのならそれも結構であります。だが一方で、阿部、遠藤、近藤、鹿野、遠藤の地元選出五代議士にあいさつ、加藤、近岡両代議士への訪問はなかったのかどうか。あなたの心に選挙のしこりが残っていたのでしょうか。政党色をどうして隠したがるのでしょうか。地方自治法第百四十九条「担任事務」の定めによると、地方公共団体の長たる者の権限は実に広大なものであります。特に、県知事の地位に至っては、住民の直接選挙によるだけに議院内閣制の総理大臣よりも強いと言われております。いわば地方政府の大統領であります。そういう県知事なのでありますから、堂々とむしろ振る舞ってほしいのであります。いかがなものでしょうか。 それから知事の隣の席が空席になっております。これは、昨日、安孫子副知事が退任をしたわけでありますが、その副知事の後任の問題をいつの時点でどのように考えておられるのか、もしも答弁ができるのであればお願いを申し上げたいのであります。 以上申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(土田啓君) 高橋知事。 ◎知事(高橋和雄君) 木村議員のまず第一に、私の選挙後の県政運営についてのお尋ねでございますけれども、私は、現在、県民を中心といたしまして県民本位の明るい開かれた県政というふうなことをモットーにして県政運営の基本といたしたいと、こう考えております。御指摘のように対話と協調、あるいは公正・公平というふうなことは、いつの時代でも全うされてしかるべきものだろうと、こう心得ておりまして、私はそういったことにつきましても鋭意努力して実現していきたいと、こう思っておるところでございます。 また、特に議会の中での討論というふうなことを議員は非常に重要視されておりましたけれども、私も全く同様でございます。議会は議論の場でありますし、また執行部と議会との関係におきましても、政策を中心として多くのいろいろの意見が出されて煮詰められてこそいい政策が展開できるものというふうに私は確信しております。執行部の原案がそのまま絶対であるというふうな考えは持っておりません。これからもいろいろの意見をお聞きしながら政策を煮詰め、県発展のためにベストであるものを選んでまいりたいと、こう思っているところでございます。これが私は県の活性化、あるいは山県県民、百二十六万県民の総力が結集できる原則であると、こう認識しているところでございます。ぜひ、議会における討論と執行部との問の討論というふうなものを実のあるものに仕上げてまいりたい、私も最大限の努力をしてまいりたいと、こう思っております。 次に、板垣前知事の業績、あるいは顕彰というふうなことにつきまして、議員も種々述べられましたけれども、その中で特に板垣前知事の豊かな個性とあるいは積極性、先見性、指導力、統率力といったものにつきましては、私も長いこと板垣前知事にお仕えいたしましたからこの体で知っておるところでございます。そしてまた私は、前の知事に範をとりまして一生懸命自分をも磨いていきたいと、こう思っているところでございます。 さて、業績を見てみますと、議員御指摘のように四十八年に当選されて以来、ドルショック、オイルショック、それから経済発展の過程における国際化における貿易の摩擦であるとか、その関係の多難な時代を実は担当されたわけでございますが、その中でも議員御指摘のように、本県の現在の発展の基礎を築かれた、あるいは将来性非常に豊かな多くの事業を手がけられたと、こう私は認識しております。そういった業績は、議員が挙げられました、まず前年度行われました大イベントである国体につきまして、およそ十二、三年の前から準備されたものでございます。それから、高速交通網の整備につきましても、高速道は、当時山形県においては全然高速道の高の字もなかったと言われた時代でございますけれども、高速道の計画から実現に至るまで、それからまた山形新幹線という全国初の試みを実現することができました。また、生涯学習について非常に深い造詣がございまして、その中心機能といたしましてのセンターの立地、それから大学の立地といったことに心がけられまして、特に東北芸術工科大学等に至りましては、およそこれからの山形県に対する五十年、百年の将来において極めて重大な機能を果たすのではないかと、こう私も期待しておりますし、そのほか多くの業績がございました。私もそばにお仕えいたしまして、幾ばくかの力を私も注いだつもりでおりまして、この点につきましては板垣前知事の手腕と力量というふうなことを私は再認識しているところでございます。 つきましては、その顕彰につきまして御提言ございましたが、私もまさに同じような考えを持ちますので、議会の皆さん方あるいは県民の意見等をも私は早急に把握することに努めましてその検討に入りたいと、こう思います。 また、新しい分野として新知事は何かあるのではないかというお尋ねでございますが、これまで前知事が手がけられた生涯教育の問題やら、あるいは社会資本充実のための高速交通網の整備、それにまた高度技術立県と高福祉時代に対応した福祉施設の整備といったものについて私も、極力、最大限の努力をしてまいりたいと、こう思います。 一方また、これも私なりに公約の一つとして掲げてまいりました個性に富んだ教育と能力を引き出す教育、それにまた地域に根差した気品ある風格ある文化の振興というふうなことにも特にまた心がけてまいりたいと、こう思っているところでございます。 次に、平成五年度の予算についての御意見がありましたが、三本柱につきましては、今後の予算編成につきましても維持していきたいというふうに考えているところでございます。予算の規模につきまして、六千億台予算がもう実現しているわけでございますが、御指摘のように、前年度比マイナス二・七%というふうな当初予算を組まざるを得なかったことにつきましては、私もいささか残念に思っているところでございます。内容的には公共事業等の力点であるとか、あるいは景気対策であるとか、あるいは福祉、さらに教育面につきまして配慮したつもりでございまして、実質的な成長を確保できたのではないかと、こう思っておりますが、なお、本議会におきまして、議会の諸先生からの御意見もいただきたいと、こう思っているところでございます。 さらに予算に関連いたしまして、県民参加というふうなテーマのもとにモニター制度であるとか、あるいは県民の意識調査といったものについての予算措置についての御質問がございましたが、私といたしましては、ぜひ県民の現在の意向というふうなものを絶えずつかんでおきたいと、こういう考えを持っております。そしてまた、県民の方向をできる限り県の諸施策に反映していきたい、実現していきたいと、こう思っているところでございます。 一方また、県民参加の行政やらあるいは意識の把握と、調査・把握というふうなことについていろいろの施策を展開すると同時に、県執行部と議会との関係は極めて重要な制度的な問題でございます。私は特に、議員の役割について二つの面を考えているところでございますが、何はともあれ、議員の活動につきましては日常活動の現実を見てみますと、地域住民との直結型できちんとした住民意識を把握しておられると、こういうふうに私は認識しておりまして、これが民主主義の原点ではないだろうかという認識を持っております。さらにもう一つは、議会の機関としての責任といたしまして、県における予算であるとかあるいは重要な策等について審議する、建議する機関であるというふうに思っております。後段の方は、当然、法律・法令等に規定されているわけでございますが、なおかつ、現実的な役割として前段の方が非常に重要な政治的意味を持つものと、こう認識しておりまして、ぜひこの地方議会における議員の活動にこの民主主義の根本とも私が思っているこの活動をさらに充実していける方法というふうなことを私は重要視してまいりたいと、こう思っております。その結果、住民参加の方法とこの議会活動における議員活動における方法を両立させて、ぜひ県民の意向を的確に把握して行政を進めてまいりたいという考えでおるところでございます。 次に、政治手法についてというふうなタイトルのもとに「二十一世紀を築く県民の会」、これ私の政治団体でございますけれども、これと推薦政党との関係はどうであるかというふうなお尋ねでございましたが、「二十一世紀を築く県民の会」は広く県民を対象とした団体というふうな認識でございまして、特に政党やら団体とかかわりを持たない、県民を対象とした私の運動の一つでございました。そのように御理解賜りたいと、こう思います。 さらに二月二十六日の上京の件でございますが、私が当選いたしましてからまずごあいさつにと、それから今後の御指導、いろいろの意見開陳をしてまいりまして意見交換をしてきたつもりでございますが、その際、まず県民の非常に大勢の方々が知っておられる自民党の選出でございます国会議員に第一番目にごあいさつ申し上げたところでございまして、その中でも、県連会長さんであられます近岡理一郎代議士には、第一番目にいろいろごあいさつして御指導を得たところでございます。次いで議員会館の各階を訪ねまして、不在の先生一、二おられましたけれども、皆さんにお会いできてごあいさつをしたところでございます。その日に、当然のことながら首相を初め各省庁大臣あるいは局長とごあいさつも申し上げてくる予定でございましたけれども、先方の御都合によりまして総理大臣にごあいさつすることができませんでした。また、各省を訪ねました折にも、すべての大臣が在席でもなかったわけでございまして、二、三の大臣には直接お目にかかってごあいさつすることができませんでした。いずれ早い時期に私はぜひごあいさつを申し上げまして、県の状況等をも説明して、また御協力も賜りたいというふうなことで鋭意頑張ってまいりたいと、こう思っております。 最後に、副知事の後任人選についてでございますけれども、現在、二月定例議会が開催されておりますので、新しい議会の体制も整いましたところで私も鋭意議会の皆さん方とも御相談を申し上げまして、最も望ましい副知事人選に入りたいと、こう思っております。よろしくお願い申し上げます。以上をもちまして私の答弁を終わらせていただきます。 ○議長(土田啓君) 宮下土木部長。 ◎土木部長(宮下武君) 本県の第十一次道路整備五箇年計画につきましては、基本方針が県土の基本を形成する道路整備、地域の特性を生かす道路整備という二本の柱を立てております。自然との調和、県土の美しさに着目してキャッチフレーズとしてハーモニー・アンド・ビューティーと、議員御質問の中で引用されたわけでございますが、これは三路線の高規格の幹線道路が県土の中をおおむねHの字の状態で走っているのに加えまして、最上と庄内とを結ぶ路線、置賜と新潟県岩船地方とを結ぶ路線、これを機能強化して合わせてBの字状に整備しようという考えでございます。最上と庄内とを結ぶ路線及び置賜と岩船とを結ぶ路線、この辺につきましては、平成四年度から進めております第十一次道路整備五箇年計画の策定とそれに続く幹線道路ネットワーク形成の中で検討を重ねまして、平成五年度にも関係方面の意見を求めて、国と県との協議の中で位置づけてまいりたいと考えております。最上と庄内とを結ぶ路線及び置賜と岩船地方とを結ぶ路線が、高規格幹線道路を補完して交通機能を強化すべき区間の基本となるものと私ども考えてございますが、ルートの設定につきましては、基幹的道路網が将来の地域構造を左右いたしますので十分に検討してまいります。 十一次道路整備計画でのこれらの年次計画につきましては、そういう意味で地域高規格道路に対する国の動向を見きわめつつ整備条件の整ったものから対応してまいります。ちなみに、昭和六十二年に高規格幹線道路網を定めたときには、これを構成する路線を指定する事務次官通達を出すという方法がとられましたが、今回の地域高規格道路について、現在、私どもが得ている情報では、あのときのような路線をどこからどこまでと指定する方法をとるよりも、県と建設省と共同で相談して、地域の幹線道路ネットワークの計画を詰めておいて優先度が高く、事業化の可能な区間から整備に着手していきたいと、こういう方法をとっていきたいというような情報を得ております。そういう意味でも、県下で平成五ないし六年度から国ないしは県事業として着手ができるように努力をしてまいりたいと考えてございます。 また幹線なり高規格なりの道路と都市の接続というお話がございました。これに関連して申し上げますと、本県には四つの地方生活圏が設定をされておりまして、地方生活圏中心都市として県下で五つの市が上がってございます。米沢市も当然県南部の地方生活圏の中心都市でございます。その意味で、中心都市と幹線、高い規格の道路の接続は大いに配慮検討すべきことでございます。また、これは単に中心都市のみならず、生活圏の圏域全体の人々の生活と都市機能のかかわりの点からも重要であります。米沢に例をとって言いますと、そういう意味で都市と高規格道路との接続に配慮することは米沢市のみならず、置賜トータル、置賜の将来にとっても不可欠であると考えておりますので、これらにつきましては、今後、関係市及び町等とも相談をしていきたいと考えております。 ○議長(土田啓君) 三十一番木村莞爾君。 ◆31番(木村莞爾君) 今、知事の御答弁をお聞きして、私実は安心させていただいたわけでありますが、とにかく何よりも県民の代表でありますから、日本の代表の総理大臣のところに早めにごあいさつに行っていただきたいと、こういうふうにお願いを申し上げたいと思います。 それから、土木部長にいろいろ細部にわたって御答弁いただいたわけでございますが、何かの番組のときだったと思いますが、知事が高速交通網の話の中で、中央自動車道、それから日本海沿岸自動車道、それに今言った四十七号から庄内に抜けていく、それから仙台から新潟に抜ける道路、その循環道路を考えているなんていう話をお聞きしたことあったんですが、まさにそういうふうな道路をつくっていただいて、県内の何と言っても道路は活性化につながってくるわけでありますから、その点を十分にお願いを申し上げたいと思います。 そして、なおかつ安心した部分は、やっぱり議会というのは我々、知事も我々も県勢発展というふうな意味においては全く同じなんですね。それで同じ県勢発展というふうな中で、追及の場でなくて、やっぱり議論の場にしていきたいと、こういうふうな話があったわけですが、全く私も同感ですので、そういうふうな部分で県勢発展につなげていくことをお願いを申し上げると同時に、お約束をしながら私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(土田啓君) この場合休憩いたします。 午後一時再開いたします。      午前十一時四十四分 休憩      午後一時四分 開議 ○議長(土田啓君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑及び質問を続行いたします。三十八番橋本喜久夫君。 ◆38番(橋本喜久夫君) 二十一世紀へ、高鳴る鼓動とともに県政をめぐる情勢も激しい変貌を告げる状況の中、一八七六年、三島通庸が知事に就任してから三十七代、公選知事四代目の高橋新知事の誕生・新県政のスタートとなりましたこと心から祝福を申し上げ、新たな県政の着実な発展を願いつつ、社会・県民連合県議団を代表いたしまして、幾つかの県政の基本課題について質問をいたします。 私は、質問に先立ちまず第一に、五期十九年余にわたって枚挙にいとまがないほど本県県勢の発展に貢献され、任期半ばにして引退なされた板垣前知事の偉業をたたえ、一日も早く御健康を回復なされますよう県民の皆様とともに心から御祈念を申し上げます。 また、県政史上最多の有力候補乱戦選挙で、善戦・健闘された土田正剛前議会運営委員会委員長の見事な戦いをたたえ、心から敬意を表し、さらなる御精進を御期待申し上げるとともに、志半ばにして御逝去なされた今は亡き布川議員、竹田邦蔵議員のみたまに御冥福の合掌をささげ、質問に入ります。 質問の第一は、新県政の基本課題について幾つかにわたってお尋ねをいたします。 まず一つは、厳粛な県民の審判を受けて高橋新知事の誕生となったのでありますが、選挙戦を通じて、選挙広報に掲げた主張、スピーカーを通じて訴えられたことはすべて公約でありまして、当面の措置とともに中・長期的展望の中で具現化すべき最重要政策課題であることは申し上げるまでもありません。今、県政を取り巻く内外の情勢は大きな転換期にありまして、新しい山形県づくりを目指す知事として従前の県政を総括なされ、今日的課題を浮き彫りにしながら公約との整合性を図り斬新的思考を堅持する中で、県民こそ主役をテーマとした新たな県政づくりに向け、創造的な追及と政策的展開に大胆にトライすることではないでしょうか。また、政策的視点では、第七次総合開発計画・新アルカディア構想も終わりに近づき、時あたかも二十一世紀に向けた新構想、長期展望とともに、平成六年度策定を目途とした次期総合開発計画の作業に着手することであって、公約を中心にした編成作業が着実に組み込まれていくものと考えるのであります。すなわち、二十一世紀に向け、県民一人一人が豊かさとゆとりを実感できる住みよい県土をつくり上げ生活大県を実現するために、画一化された施策を脱し、山形県として主体性を持ち、地域に適した個性ある施策を展開することなどであります。また、県政運営・推進の視点では、大きな障壁は、中央集権構造下にあって制度的に地方自治はややもすれば国政の下請負的立場でありまして、そこを越えた主体的努力と相まって山形らしさの追及、総合性、そして未来に立ち向かう創造性が問われることではないでしょうか。さらに、今日までの長期県政下にあって県政内部によどみがあったり、能動性、意欲喪失を生む消極的な事なかれの思考や総合性に欠ける縦割りばらばら行政とか、創造性をむしばむ法令墨守・前例踏襲主義や官僚的閉鎖性、場当たり行政などの克服と脱却への展望を示すことが、県民に開かれた公正な県政のスタートとすべき原点ではないかと考えますが、知事の所見を述べていただきたいのであります。 二つ目は、県政の根幹を、県民の声を土台として市町村を軸に新たな発展を図ると施策展開の基本を示されてこられましたが、単に県民意識調査や行政モニター制度の充実・強化だけでよいかどうかであります。そこで、国勢調査並みの全県民にアンケート調査や知事と語る県政広場など、県民ニーズの掌握とともに新たな公聴行政システムを創設することだと考えます。ややもすると従前の行政はトップダウン方式の側面があったと思いますが、新県政はボトムアップ方式に質的転換を図ることでありまして、少しく行政組織機構の改編措置を求められてくるだろうと考えるのであります。例えば、行政の第一線をすべての面で強化し、出先機関に対する権限移譲を行い、支庁・地方事務所、圏域内の企画調整・調査機能を持つ課の設置とか、市町村への事務権限の移譲を積極的に取り組み、市町村に自治体としての自主性・主体性の強化策を講ずるべきであると考えますがいかなる方策をお考えなのか、お伺いする次第であります。 三つ目は、県政を県民との共同作品として、地域の特性を最大限に生かした多極分散型の県土づくりに取り組むため県民総参加をキーワードとすることだろうと考えます。同時に、そのためには地方自治体をがんじがらめに縛っている中央集権政治構造からの解放であり、地方みずからの意思で地域づくりができるように、権限と財源を積極的に付与する分権革命を断行させることではないでしょうか。今、リクルート・佐川急便事件に加えて金丸脱税事件に代表されるがごとく、金権にまみれた自民党支配政治のスキャンダルに端を発して、政治改革が天の声となり国民注視の議論となっておりますが、中央・地方を問わず現行の政治システムに対する国民の不信と怒りが高まり、その変革は避けて通れない必然的な道となっていることであります。その中で、明治初頭の廃藩置県から百二十年余の今日、政治・行政改革とともに本格的な地方分権への改革論議が具体的に取り組まれております。すなわち昨年秋、全国知事会地方分権を目指してシンポジウムを開催し、中央-地方を貫く行政システムの改革に向け国民運動を提唱し、地方分権に関する宣言を行ったことであり、民間政治臨調・政治改革推進協議会は、新年早々緊急提言として分権革命へのアピールをいたしまして地方分権基本法を提唱いたしており、また、行政機構の抜本的見直しに取り組んでいる第三次行革審においても、この三月権限移譲について結論が出されてくるでしょう。他方、政党レベルでは社会党の地方分権推進法を初め自民党地方行政部会においても検討を開始し、日本新党は分権を重要課題としておりまして、地方分権論議は百家争鳴の時代を迎えておりますことは御承知のとおりであります。 そこで、県民・生活者本位や個性ある地域づくりに取り組み、豊かさの質を高めるためのプロジェクトやユニークで地域に密着した課題であればあるほど中央集権構造の壁に突き当たり、実現は難しい情勢を踏まえながら、この際、全国知事会の国民運動に呼応した県民運動など展開しながら、中央集権の厚い壁に風穴をあけるべきときが到来したと考えますが、知事の見解を承りたいのであります。 質問の第二は、新県政初の予算編成問題についてであります。 知事は、二十一世紀に向け県民の大きな期待を担って初登庁され、直ちに新年度予算の編成作業に着手されたのであるが、時間的にも財源的にも余りにも狭隠そのもので、みずからの選択肢に限定されただろうと推察をいたすのであります。三年連続の地方交付税の特例減額など国の歳入難を、一方的に地方に負担転嫁した地方財政計画が押しつけられ、かつまたバブル経済がはじけ、かつてない不況の暗いトンネルが続く中、長引く底冷え経済に追い打ちをかける急激な円高となって、もろに受ける県経済から県税などの自己財源に直撃を受けた中であって、その厳しさに異常な困難が伴っただろうと思います。また、半世紀に一度のべにばな国体の成功に向けて集中投資を余儀なくされた県財政事情とともに、県債残高に示されているごとく償還のピークへ向かう公債費の増高期にあって二重、三重の苦悩が伴っただろうと考えます。確かに、一般会計における予算案は二・七%減、三十七年ぶりの前年割れとなったことは残念でありますが、財政悪化のほとんどは外的・経過事情要因であったとはいえ、現下の最大問題である景気浮揚対策を最重点課題として投資的経費が三七・一六%計上されまして、前年比で三・三%増、さらに公共事業の全面受け入れで〇・七%増の千二百三十二億余円、さらに県単独事業では約六百七十六億円でありまして、国が示した地方財政計画の十二・〇%を上回る十五・八%の伸びといたしまして、意欲的な展開となったことは一定の成果として評価をしながら、みずからの責任に精いっぱい努力されたことに敬意を表する次第であります。 ついては、予算編成を通じて直接タッチした率直な感想と、今日の県財政の現状に加えて今後の公約施策などと関連した補正予算の計上見通しについてお伺いをいたします。 また、県民の暮らし全般にわたって影を落とす経済不況への優先的配慮措置は言うまでもありませんが、深刻な財政事情の中で知事自身の幾多の抱負と独自性を発揮できなかった状況にあったにせよ、幾つかの新規施策を盛り込んだ、その努力に敬意を表する次第であります。 すなわち、二十一世紀に向けた県土づくりの最も重要な人材育成や今後の県政運営で指針となる総合開発計画策定を初め、こども二十一世紀プラン、第四次教育振興計画、文化振興指針、新やまがた女性プラン・意識調査、環日本海圏交流推進事業の展開、市町村振興の関係では未来プロジェクト支援事業、福祉面においては健康長寿エリア構想の策定、マンパワー確保対策基本指針の策定、高齢者・住宅リフォームの推進、鶴岡養護学校への高等部設置、寝たきり老人など介護者激励・所得要件の緩和策など、また、商工関係では若手経営者セミナー・山形実践塾の開催、国際デザインコンペティション開催計画策定、長期産業ビジョン研究事業、山形フェスティバル九三、県立職業能力開発専門校の着工、農林水産関係では中山間地域への園芸振興、あすを担う農業者の育成、農業情報ネットワークシステム開発、産地戦略技術実証事業の展開、さらに、持家住宅建設資金・貸し付けの収入制限の綬和、芸術文化振興施策研究事業、県民スポーツフェスティバルの開催、競技スポーツの強化、私学振興・施設整備補助金の新規導入など、二十一世紀を展望された知事が掲げた「明日を築く人づくりと文化の創造」、「住みよい活力あふれる地域づくり」、「未来に向けて発展する県土づくり」の政策テーマを中心に、重点的新規事業を組み込み、予算案の提案となったんでありまして、やがて青い芽が吹き花が咲き、その実りに対して大いなる期待を寄せる次第であります。 第三に、次期総合開発計画・長期構想について若干お尋ねをいたします。 私は、平成七年度を目標とする第七次県総合開発計画のもとに各般の施策が行われ、着実な進展を見ているのでありますが、べにばな国体を頂点にして躍動の県政を構築することができたものと考えるのであります。今、二十一世紀を見据えた長期展望作成とともに、新たな開発構想のプロジェクト化に向けて調査研究を進め、次期総合開発計画へ位置づけを図るため、一億五千万余円を計上し、意欲的な展開を図ろうとしているのであります。言ってみればやまがた新世紀プランであって、県民一人一人の生活を大切に、豊かさとゆとりを実感できる新しい時代の潮流と飛躍する県土基盤の創造へトライすることであり、生活大県づくりの道筋を明らかにすることだと考えます。 また、本県は北海道・東北二十一世紀構想推進会議の責任ある重要な役割を担いまして、二〇一〇年を目標として、北海道・東北地方は我が国の将来を担っていく地域であるとの認識に立って、日本の発展を支え、世界の発展にも貢献し得る新しい国土軸を築くことを骨格といたしまして、一体的な開発整備方針を固め、平成五年まで具体化しようといたしておるのであります。さらに、国においても第五次全国総合開発計画の策定を念頭に置いた四全総のフォローアップ作業が進められていることから、極めて重要な局面にあるものと認識を強めているところであります。確かに、県長期展望構成素案で示された背景と意義や社会構造の変化との対応の視点や基本的課題は、まさにそのとおりであるかと思います。 問題なのは、長期展望でも指摘されておりますが、本県の人口構造が大きく変化していくことであります。厚生省人口問題研究所の発表によれば、一九九〇年から二〇一〇年の本県の将来推計人口は、最終年百十六万八千人であって、初年次に比べ九万人減少が見込まれ、減少率七・二%であります。また、六十五歳以上のお年寄りが県内人口に占める割合を示す高齢者比率は、全国七番目となる二五・七%と予測されているのであります。全国的には二十一府県で人口が増加いたしまして、その数は六百七十九万人とはじき、南東北三県では、宮城県が増加に転じ、福島県は横ばい状況となるが、本県だけ減少となるとはじいているのであります。既に本県では、人口増加の停滞期から減少期に入っているのであるが、適正目標を掲げる中で拡大志向を目指し、希望が持てる各般の施策展開が強く求められていると思いますが、そのキーワードは何なのか、いかなる分析と、新たな課題についてどう考えておられるか、企画調整部長から御答弁をいただきたいのであります。 このほど、山形銀行は平成三年度の山形県の民力調査結果を公表いたしたのであります。すなわち、市町村ごとに経済的側面から活力を指数化をいたしまして、地域づくりの問題点を浮き彫りにいたしているのであります。総合民力指数では、山形、酒田、鶴岡、米沢の四市で県全体のほぼ五〇%を占め、十三市合計で七七%を占めておりまして、市部と町村部との経済的格差が年々拡大いたしているということであります。他方、平成二年度の県民経済計算によれば、県民所得は全国比八四・三%であって全国最下位グループに属しまして、低迷している現状に置かれているのであります。政府は、生活大国五カ年計画を示し、本県では所得向上全国比九〇%を掲げ、地域の均衡ある発展をテーマとして長い間県政を推進してきたのであるが、必ずしも大きな成果を見ず今日に至っているのであります。 このように、県内間におきましても、地域格差拡大がより顕著なものとなっているのでありますが、今後の均衡ある発展の方策をどう考えておられるかについても述べていただきたいのであります。 確かに、県企画調整部において県経済成長要因分析など画期的な作業に当たったことは承知をいたしておりますが、一歩前進をさせてはいかがなものかと思うのであります。そこで私も、長らく提唱いたしてきた本格的な本県独自のシンクタンクを設置する問題についてお尋ねをしたいのであります。 十一月定例会におきまして渡部秀勝議員から提案がありましたが、東京一極集中解体、地方情報発信の時代の中にあって、かつまた県民総参加の県政下にあって、頭脳型機能の育成、研究開発志向を目指す新県政がスタートいたした中で、ほとんどが中央シンクタンクやコンサルタントに依存する従前の発想を転換すべきではないでしょうか。確かに、金融機関など調査研究部門を有する団体で構成する山形県シンクタンク連絡協議会で、県はわずかの負担金で情報交換をいたしていることは承知をいたしておりますが、今大切なのは、山形県の知のフィールドと創造のステージを構築する意味合いにおいて地域開発や低所得構造からの脱却とともに、地域の活性化等を専門に調査・研究に当たる本格的なシンクタンクを設置すべきであると考えるのであります。東北六県の状況を見ても、このほど宮城県で地域振興センターを新たに設置し、福島県では産・学・官で検討委員会をつくり平成六年度新たな発足をさせようといたしておるのであります。企画調整部長の明解な御答弁をお願いいたします。 あわせて東北インテリジェント・コスモス構想の中で、本県はどういう役割と地域開発や活性化に寄与いたしているかを、将来展望も含めてお知らせをいただきたいのであります。 第四に、二十一世紀に向かう本県の大きな課題に超高齢化社会に対応する問題がございます。来世紀に超高齢化社会を迎えるとともに、若者・頭脳流出県が続く中で、豊かさと活力に満ちた地域づくりに大きな陰りが投げかけられていると言えるでしょう。また、既存の発想や手法では問題の解決や持続的な発展がより困難な局面に追い込まれ、場当たり的対症療法の道しかたどることができないであろうと考えるのであります。 このほど発表された日本大学人口研究所は、世界にも例を見ないスピードで高齢化が進む我が国の将来の人口・経済・社会保障について、推計結果においては二〇〇七年には高齢者人口世界一となり、寝たきり痴呆症のお年寄りは三倍以上にふえ、今の女子小学生は将来二人に一人がお年寄りの介護に迫られると警告をいたしておるのであります。また、お年寄りの独居率においても十一%から十八%にふえ、特に女性は十五%から二二%に達しまして、五人に一人がひとり暮らしを迫られるというのであります。このデータは、私たちが従前考えてきた本県の高齢化の進展を、全国平均より約十年先行論を覆したものであり、事態は深刻にして急速に進化しているものと受けとめざるを得ないのであり、過般の知事選挙の際、読売新聞社の世論調査結果においても新知事に望む政策の第一位が高齢化対策であったことは御承知のとおりであります。 私は、同推計の中で国民生産平均成長率で見ると、二〇一五年には一・五六、同二五年には〇・八%でゼロ成長に急接近するというのであります。また、高い貯蓄率も低下し、三分の一以下に減る一方、医療費は約五倍、国民健康保険で約五・五倍も低下し、シルバー医療費が増高の一途をたどるというのであります。今、策定実施をいたしておる高齢者保健福祉推進十か年計画の前提条件が崩れ去ったことを告げているんであって、これらに呼応した県シルバーアルカディアプランの見直しとゴールドプランへの本県対応措置が抜本的に改善が迫られていると思いますが、生活福祉部長から御答弁をお願いいたします。 また、昨年秋、第三回高齢者ケア国際シンポジウムにおいて、厚生省の横尾老人保健福祉局長は次のように述べたのであります。全国三千三百の自治体のうち高齢になっても困らないというのは一、二%、何らかの取り組みを始めているのが約十%だと言ったのであります。平成二年度からスタートした高齢者保健福祉推進十か年戦略の責任者の発言だけに、関係者に与えた衝撃と波紋ははかり知れないものがあったと思うのでありますが、深刻の度を深めておる高齢者ケア問題ではあるが遅々として進まない、待ったなしの介護体制確立に向けた警告でもあるかと考えるのであります。 いよいよこの四月、老人福祉法等の改正で老人・身体障害者にかかわる入所決定権が町村に移譲され、老人福祉計画策定などの関係規定が施行されるのであるが、県内的にどうなっているのか、重要な役割を持つ市町村社会福祉協議会の強化策もお尋ねをいたします。 さらに本県の場合、在宅要援護老人状況は、寝たきり約五千人、痴呆性老人約一万人、ひとり暮らし老人約一万二千人、そして、年々増加の一途にありますが、お年寄りたちの悲惨な状況は言うに及ばず、介護疲れで崩壊寸前の家庭状況と相まって片時も放置できないものとなっているのであります。私は、各種世論調査やアンケートなどを見ても、実態から言っても、単に施設拡充だけでは即応できない最も深刻な事情にあるのが、在宅ケア支援対策を強化・拡充すべき急務を告げているということであります。 御承知のように、在宅ケア推進の柱として昨年四月から老人訪問看護ステーションが開始され、厚生省は在宅医療元年と位置づけをいたしまして、二〇〇〇年まで全国五千カ所、初年度の目標四百カ所と見定めて取り組んでいるのであるが、本県の場合どうなっているのかであります。また、高齢者ケア体制の重要な柱として、当面市町村、関係団体と共同で、例えば、在宅医療ケア事業団を設立をいたしまして、県内各地に医療・福祉・保健の一体的な在宅ケアサービスを担う老人訪問看護ステーションを設置することこそ緊急課題であると考えますが、御答弁をお願いいたします。 次に、福祉は人成りと言われますが、問題は福祉マンパワーの確保の問題であります。機能別、専門別に分ければ、ソシアルワーカー、ケアワーカー、スーパーバイザー、地域福祉コーディネーターとも言えるでしょう。その専門の養成機関も問題でありますが、雇用形態は基本的に専任・常勤体制として、キーパーソンとして専門の資格が必要不可欠であると思うのであります。申し上げるまでもありませんが、福祉のレベルアップは時代の要請であり、マンパワーの質的向上、二十四時間ホームケアの充実、集合住宅などの幾多の問題が横たえておりますが、福祉現場の第一線で働く方々は、俗に言われておる三K状況下にあることであります。つまり、きつい・汚い・危険な仕事から新しい意味を持つ三Kに変えていくことではないでしょうか。すなわち給与もまずまず、休暇もとれる、そして希望が持てる職場に転換することではないでしょうか。 本県において、例えばホームヘルパーの場合、雇用契約は一年更新、退職金もないといった市町村もあるわけでありまして、市町村福祉・地域福祉の時代になった今日、問題であります。言ってみれば養成から研修、専門制、処遇そして福利厚生対策まで一貫したマンパワー総合対策が求められているんじゃありませんか。とりわけ、県として市町村に呼びかけて特定退職金共済団体などをつくり、安心・安全な諸対策を講ずるべきだと考えますがいかなるお考えか、お答えいただきたいのであります。 いつの日か、今よりもっと輝いている皆さんにお会いできることを楽しみに、きょうはお別れします。さわやかな感動をありがとうございました。さようなら。シー・ユー・アゲイン(see you again)。 静まり返ったスタンドに澄んだ甲高い声が通り、会場は嵐のごとき拍手に包まれたのであります。それは、第二十八回全国身体障害者スポーツ大会輝きのべにばな大会のフィナーレ、県立山形盲学校鈴木育子さんの輝き宣言は、大観衆の人々の胸に響き渡ったのでした。大会の大成功とともに、これほど障害者福祉に共感と感動の中で、県民全体の関心を呼び起こした意義は余りにも大きいものがあったと思うのであります。私は、この輝きのべにばな大会で培われた障害者自身の積極的な社会参加の機運と県民の障害に関する理解の深まりは、今後の障害者対策を進める上でかけがえのない貴重な財産であると考えるのであります。 完全参加と平等をテーマとする国連障害者の十年は、今年度で最終年を迎えますが、ノーマライゼーションの理念の実現とともに、障害者も他の県民と同じように主役として自立いたしまして、社会のさまざまな分野に参加できる県政確立が極めて重要であり、もちろん福祉施策の分野にとどまらず、就労対策や道路・住宅などの生活環境整備など幅広い総合的な対策が強く求められているのであります。時あたかも、ことしはアジア・太平洋障害者の十年が始まる中で、執行部においては輝きのべにばな大会の大きな成果の上に立って障害者の第二次長期計画を策定いたしていると聞いておりますが、どのような分野に重点を置いて今後の障害者対策を進めていく考えなのか、生活福祉部長にお尋ねをいたします。 次に、二十一世紀を展望した本県農業のビジョンの策定作業に取り組み、昨日、最終成案をまとめられ、平成五年度をビジョン具体化元年と位置づけをいたしまして、新年度予算にも多面的に総合的に各般の施策を講じようといたしておるのであります。 その基本的な考え方といたしまして、意欲ある農業者の将来の経営指針とともに行政や農業団体の事業展開の方向を明確に示されたこと、国の新農政プランの方向と整合性を図りながら、本県の実情、実態に即したものとして極力山形らしさを打ち出したこと、第三には、施策の展開に当たっては今後三年から五年程度の間に重点的に実施いたしまして、ビジョンが実践的かつ具体性を伴う攻めのビジョンを提起いたしたことであります。さらにビジョンは、農業が魅力ある職業として他産業従事者との所得の均衡をめどにいたしまして、専業的農業従事者一人当たりの農業所得は年間五百万円、労働時間年二千時間と見定め、目標実現の経営累計を出されたのであります。一つは、稲作中心の個別経営規模は自作地五ヘクタール、借地十ヘクタールから十五ヘクタールとする。組織経営体は三戸で六人程度で四十ヘクタールとする。そして野菜・花卉・果樹・畜産・養蚕と特用林産物といったぐあいに複合経営体の幾つかのモデルを示され、中山間地域では冬期間を通じて周年農業を確立するとうたっておりまして、条件整備に重点的に取り組むといたしているのであります。まさに本県農業の経営・構造革命であって、画期的な指針であると言わなければなりません。 しかし、問題点は全県的な地帯別の経営固体の目標実数が明示されておらず、単なる特定一部地域にモデル的に実験的指向性を描いたものとして受けとめていいのであるかどうかであります。また、三-五年程度重点的実施とあるが、農業基本法実施三十年余の今日、二・五ヘクタール相当の中核農家づくりが見事に挫折いたしておるこの現実をどう考えておられるかであります。 さらに、選別農政を展開するということになりますが、戦後農政がほぼ一貫して堅持してきた公平・平等の原則からの決別であって、農家そのものがいや応なく厳しい優勝劣敗の論理に組み込まれていくことになるだろう。私は、これらの点に、ひとつ農林水産部長から率直に御答弁をいただきたいのであります。 さらに、今やグローバルな時代を迎え、地球環境の悪化が懸念され、環境型農業が強く望まれております。とりわけ、農業が果たしている食料供給のみならず県土・環境保全機能や県民との共同財産として全県民に理解をしていただく観点からも、ヘドニック法による公益的機能の評価をすべきであると考えますが、あわせてお答えをいただきたいと思うのであります。 次に、本議会でたびたび議論されてこられた環日本海経済圏構想問題であります。 二十一世紀に向けた本県の新たな活路を切り開く重要課題として、昨年は花屋企画調整部長を中心とした執行部調査団の派遣、庄内選出県議団有志による環日本海経済交流調査団とともに酒田港開港五百年という節目の八月、中国黒龍江省との民間レベルの貿易が成立いたしまして、その航路は東方水上シルクロードと命名され、貿易促進協議会の発足を見たのであります。 加えて、庄内地域地方拠点都市第一次指定となって大きな弾みがついた今日、まさに構想段階から実行の段階に入ったのであって、今後日本海沿岸自治体によるネットワークとしての日本海自治体連合の創設、環日本海圏における多国間の言語学習、情報発信・受信の場として朝鮮・中国・ロシアの国境地域に環日本海国際交流センターの設立の動きなどが顕著なものとなっているのであります。これらの動向を受けて、環日本海時代を県全体の共通テーマに掲げ、各界で議論を尽くす場の創設も不可欠であり、山形・庄内空港、酒田港の国際化、庄内と内陸に流通加工型の輸入促進地域などの展開できる状況をつくりながら、沿岸諸国との水平分業体制を確立いたしまして、アンテナショップの開設など交流基盤の整備こそ急務と考えますがいかがなものでありましょう。 また、黒龍江省との県省の盟約を締結する方針であったがどうなっているかもあわせてお答えいただきたいのであります。 次に、景気浮揚策について質問をいたします。日本経済は、戦後幾つもの危機に直面し、ドルショック、二度の石油ショック、そして急激な円高といった荒波を本県経済ももろに追いかぶりながら不況脱出を図って今日の産業基盤をつくり上げてきたことは御承知のとおりであります。今、バブル経済崩壊とともに、景気後退が始まって既に二年となりますが、本県の場合、比較的堅調な足取りをたどってきたのであるが、最近における円高とともに、なべ底・構造不況の暗いトンネルが続く中で生産・消費面においても重い陰りが差し込むに至ったのであります。 昨年十二月、県工業振興協会が鉄鋼・金属・機械・電機など百九十七社の事業所に対して行った主力製品の受注状況調査によれば、約七割で稼働状況が落ち込んだ、そして、既に三割以上が赤字収支だと回答が寄せられ、向こう三カ月間の生産見通しについては半数が減少すると答えているのであります。 この二月の倒産状況を見ましても、件数にして一月の五件に対し十四件、負債額において二億四千二百万円に対し二十二億三千三百万円と、小康状態から大幅な倒産増加に転じている状況でございます。本県の産業は、ほとんどは下請け型零細中小企業群であって、親会社の生産調整やリストラの進行とともにその影響は不安から深刻な度合いへと色濃くなっているのであります。長引くこのような不景気が本県商工経済をもろに襲い始めているということであります。特に、本県産業の機関車的役割を果たしてきた自動車、ハイテク産業関連や地場産業にも不況の風がもろに波及し出しているが、本県経済の状況見通しとあわせ雇用情勢と有効な対策等について、商工労働開発部長に答弁を求める次第であります。 質問を終わるに当たり、先刻木村議員からも提案がございましたが、広く県民に敬愛され、本県発展のため尽力され、数々の偉業をなし遂げ、任期半ばにして引退された板垣前知事に対し、県民栄誉賞を贈ってはいかがなものかということであります。 そのために、新たに選考基準などを定めた条例を創設いたしましてどうかと存じますが、議会の皆様を初め執行部におかれましてもぜひ御同意をいただき、県議会議長を中心に協議の場を設けさせていただき実現の運びとなりますよう心から御期待を申し上げ、御提案を申し上げる次第であります。 また、県勢発展に長い間貢献され、昨日勇退された安孫子副知事を初め、今期御勇退なされる関係職員の皆さんに敬意を表し、さらなる御健勝を御祈念を申し上げまして質問を終わります。 ○議長(土田啓君) 高橋知事。 ◎知事(高橋和雄君) 初めに、県政の基本課題についてというふうなことで、県民に開かれた公正な県政のあり方というふうなお尋ねでございますが、明るく開かれた県政というふうなことを私は大きなスローガンとして選挙戦を展開いたしました。それは、明るくとこう申し上げますのは、今、県政はどういう局面にあるかというふうなことを県民に知らせることが非常に重要なことであるというふうに考えておりますし、また、その段階における県民のいろいろの声が聞かれれば、また、それに発言することによって県民がまた責任のもとに自分の力を発揮できる、こういった力を結集することによって山形県の発展が期待できるというふうに考えたからでございます。もちろん、明るく開かれた県政のテーマは、いつ、どの時代にあっても適応なるものと、こう思っております。これを具体的にどのように展開していくかというふうなことが今後の私の課題と、こういうふうに受けとめておりますが、特にこの点につきましては、県民の意識調査であるとかあるいはモニター制であるとか、そういったものを一つの方法といたしまして、新年度におきまして予算措置も講じたところでございます。これだけが開かれた県政というふうなことを担保するものではないことを承知しておりますので、この点について、今後とも開かれた県政の真の意味で県民の力を結集できるような方途を逐次考えてまいりたいと、こう思っております。 また、市町村を軸とした県政と県政の展開というふうなことにつきましては、県内四十四市町村はすべての市町村において開発計画を持っておりますし、また、いろいろの方策を打ち立てているところでございます。これらの計画の実現と方策の実施を県として支援していくことがとりもなおさず山形県の発展に通じるものというふうに私は信じておるところでございます。そうすることによって、これもまた市町村の総力を結集できる、山形県の総力を実現できるものというふうに考えているところでございます。 また、この点につきましては、ボトムアップの方法であるとかあるいはトップダウンの方法であるとか、これらを併用して、また具体化できるものとも考えておりますので、県の組織におきましては、県の公所の活性化を図るなど極めて重要なテーマでもあると、こう考えております。この観点から、現在県におきましての組織の充実、市町村を軸とする支援としての組織の充実、あるいは財政的な面におきまして市町村振興資金の融資の枠の見直しあるいは強化等を考えているところでございます。 次に、地方分権についてのお尋ねでございますけれども、これについて具体的に県民運動を展開してはどうかというふうな御質問につきましては、県や市町村とあるいは地方議会あるいはそれらに広く関心を持ちます県民を対象にして、実質的に機運の醸成、地方自治の機運の醸成に資するべく運動を展開するような具体的な方法を検討してまいりたいと、こう存じております。現在、地方分権についてはいろいろの段階で検討されていることでございますが、先ほどいろいろ御指摘ございましたように、知事会におきましても強力な地方分権の展開運動をしておりますので、これらを通じて私も県挙げて地方分権の確立、それに伴うところの財政力の強化等につきまして真剣に取り組んでまいりたいと、こう考えております。 次に、平成五年度の予算編成についての感想のお尋ねでございますけれども、短時間でございましたけれども、私のできる限りの努力をしたつもりでございます。私が一応公約として掲げたものについて、全体的に検討してまいりました。時間的な制約がありまして、さらにまた関係団体と意見の交換を深めていく必要があるというふうな課題が幾つかございましたので、それらの点につきましては後日補正予算等で措置したいと、こう思っております。 一つには、土地改良事業に伴うところの補助のかさ上げでありますとか、あるいは企業の近代化施設に対する融資の問題であるとか、あるいは勤労者福祉にかかわるところの奨学金制度の創設の問題であるとか等幾つかの問題がございますので、これらの点につきまして早期に意見の交換を行いまして、補正予算に盛り込めるよう努力していきたいと、こう思っております。 来年度の予算編成に当たりましてマイナスの当初予算になりましたが、実質的な予算につきまして県民に不便を来すようなことのないように、補正予算でも極力充実した予算を編成できるように頑張ってまいりたいと、こう思っておるところでございます。以上でございます。 ○議長(土田啓君) 花屋企画調整部長。 ◎企画調整部長(花屋和夫君) まず、将来人口展望のポイントと課題についてでございますが、人口の計画的な目標につきましては、これからの総合開発計画等の審議の中で総合的に検討してまいりたいというように考えております。平成二年の国勢調査によりますと、全国的には十八の道県が人口減少へと転化をしてきております。こうした地域動向の中で、本県も近年人口の減少傾向を示してきているわけでございます。 この大きな理由としては、ただいま申し上げた背景の中で、本県の出産適齢女子人口が大きく減少し、また、出生率が低下してきていることを挙げることができます。特に、高度経済成長時代の人口流出による本県人口構造への影響が大きいというように考えております。したがいまして、どのような計画目標を立てるにいたしましても、本県の人口構造と出生力の改善を図っていくことが県政の大きな課題であります。Uターンの促進や出産等にかかわる助成など、対処的な施策も必要でありますが、基本的には地域全体の活力向上や均衡ある発展を促進する総合的な施策を中・長期的に展開して、県民の創意とエネルギーを結集していくことが重要でありますので、この点を踏まえ、十分審議検討してまいりたいと存じます。 その際、特に若者の定住という観点を引き続き重視をしてまいりたいというように考えます。この観点から、まず技術やサービスなど付加価値の高い新たな産業の立地展開を図り、魅力ある就業の場の拡大を促進すること、また、県内各地域の都市機能の充実強化を図るとともに、若者の活動を助長していく文化的空間や景観を街づくりの中に取り入れていくこと、さらには本県のすぐれた自然や居住環境、三世代同居の高さ等の利点を生かしながら、安心して子供を生み育てることのできる環境づくりを促進することなどを大切にしていかなければならないというように考えております。 次に、地域の均衡ある発展についてでございますが、これにつきましては、地域の中心的な都市を核としてそれぞれの地域の特性を発揮させていくことを基本に進めてまいりました。経済的な側面からも同様の考えで進め、特に工業においては各ブロックに拠点団地及び市町村の農工団地を配置し、企業誘致に力を入れることで地域発展を図り、成果を上げてきたものと考えております。企業の誘致策については、新しい産業立地環境の整備を進めながら引き続き促進してまいりますが、これからは産業や経済発展に加えて地域の多面的な活力を一層引き出していくことが不可欠であります。そのために、各市町村の自主性を最大限に尊重しながら、それぞれの地域における資源や文化を高度に生かすことにさらに力を入れていくことで地域の活性化を図ってまいりたいというように考えております。 また、地域の発展を支えていく拠点となる都市と周辺市町村の一体的な整備を進めて、地域全体の発展を図っていきますとともに、そのための基本的な条件である高速交通網、地域内交通等各種交通基盤の整備を着実に進めてまいります。 次に、シンクタンクの設置についてでございますが、地域開発の動向や地域課題を的確に把握し分析し、常に時代の新しい流れを踏まえた施策の提言や情報を提供し、かつ、みずから推進する機能を持つことが県政運営の上からも重要であるというように十分に認識をいたしております。各県のいわゆる地域開発等の総合シンクタンクの資料を見聞しますと、そのほとんどが調整や情報収集等で限界となり、本来の機能を十分に果たしている状況にはないというように私ども見ております。 議員御指摘のような本来のシンクタンクをつくるには、全国に情報・人的ネットワークを張りめぐらせ、常に最先端の研究体制をしいておくことが不可欠であります。そのため多くの人的資源や財政的裏づけが必要であります。最近、地域シンクタンクの中にこのような機能を整備しようという試みが見受けられます。本県といたしましては、これらの状況も研究しながら県内外にわたり各界の英知を集めて、また、産業界や市町村、県民の協力によって地域活性化の取り組みを推進していく機能をどのように県内につくっていくかについて、鋭意検討を進めてまいります。 次に、東北インテリジェント・コスモス構想と本県の役割についてでございますが、この構想は、東北地方への学術・技術・情報の集積と高度化を図ることを基本戦略として、中核拠点の形成とそのネットワーク化のため、産・学・官が一体となって取り組むこととした構想でございます。また、地域における科学技術の研究開発は、産業の高度化を図らなければならない地方産業にとっても不可欠となっていくと考えており、本県としても重視していく必要があると考えます。 本県におきましては、御案内のとおりライフサポートテクノロジーに関する取り組みをその先導的役割を果たすものとして位置づけをし、東北全体のネットワークにおける中核的な拠点の形成を目標にして、商工労働開発部、山形県テクノポリス財団とともに、産・学の協力・参加を得て具体化に向けた取り組みを進めているところでございます。 その中で、今月下旬には本構想に基づく新たな研究開発会社として株式会社生体光情報研究所、これは仮称でございますが、この研究所が設立される見通しとなり、研究開発の拠点形成に一役を買うものと期待しております。今後とも本県における研究開発環境の整備や研究開発機関、企業の立地を図っていくとともに、山形大学等の整備をもにらみながら産・学・官が一体となった高度な研究開発拠点の形成を進めていく必要があるというように考えますし努力してまいります。 最後に、環日本海諸国との交流についてでございますが、この件につきましては、議員御指摘のとおり二十一世紀における県政の重要課題であるというように考えており、そのような観点から本年度は環日本海交流構想の策定に取り組むとともに、二度にわたりまして対岸諸国に調査団を派遣したところでございます。 本県は、整備されつつある高速交通基盤、技術先端型産業の集積等の産業交流資源を有することから、対岸諸国の発展に伴い、長期的には国際水平分業体制の一翼を担う経済交流の拠点の形成を目指していく必要がございます。こうした観点から、本年度は空港の国際化や酒田港の外貿機能の強化など国際ゲートウエー機能の整備、二つには庄内と内陸、さらに仙台を結ぶ国際交流軸の形成、三つは軸上における生産機能及び高度技術開発力の集積などを柱にした環日本海圏交流構想の検討を進めております。来年度は具体的なプロジェクトの実現に向け、さらに検討を進めてまいります。あわせまして、アクションプログラムについて、各界の御意見をお聞きしながら鋭意とりまとめ、その推進を図ってまいります。 それから、黒龍江省との友好県省の締結に関しましては、さきの十一月定例会におきまして板垣前知事が盟約の締結促進を表明されるとともに、十二月三日付の邵省長あて親書におきまして早期締結を提案したところであります。その後、黒龍江省においては、盟約の締結に関する国内手続を進める中で本県との交流課題を整理しているというように聞いております。その進展を見守っているところでございます。 ○議長(土田啓君) 山口生活福祉部長。 ◎生活福祉部長(山口寿男君) 初めに、高齢化社会に対応した各種計画の見直しについてでございますが、二十一世紀の本格的な高齢化社会に対応するため、本県におきましては昭和六十三年に第七次総合開発計画に示されました理念を踏まえまして、高齢化対策の具体的方向につきまして高齢化総合対策指針・シルバーアルカディアプランを策定しまして、各分野にわたる施策を総合的、積極的に推進をしているところでございます。 また、平成元年には国において高齢者保健福祉推進十か年戦略・ゴールドプランが策定されまして、本県ではこれを受けまして、在宅福祉や施設福祉サービスについての整備目標水準を設定しまして、現在、これらの目標の早期実現に向けまして積極的、計画的に整備を推進しているところでございます。 御指摘のように、今後人口の高齢化がこれまで以上に一層急速に進展することが考えられる中で、高齢化総合対策指針につきましては、次期総合開発計画の策定作業に合わせながら見直しを行ってまいりたいと考えているところでございます。その本格的な見直しのための準備作業としまして、平成五年度におきましては、これまでの施策の進捗状況等について調査、点検を行ってまいりたいと考えているところでございます。また、ゴールドプランに対応しました本県の整備目標につきましては、本県の高齢化の実情や将来予測、今後の国の施策動向などを見きわめながら今後検討してまいりたいと考えているところでございます。 本年四月から、市町村及び県において老人保健福祉計画を策定することが義務づけられますが、この計画では施策の推進方向のほか具体的なサービス目標を示すこととされておりますので、地域住民のニーズ把握等を適切に行いまして、地域の実情にあった計画の策定に努めてまいりたいと存じます。 次に、措置権の町村への移譲に対する対応と社会福祉協議会の強化策についてでございますが、この四月から老人福祉法等福祉八法の改正によりまして、特別養護老人ホーム及び身体障害者福祉施設への入所事務等が県から町村に移譲されるとともに、先ほど申し上げましたようにすべての市町村及び県におきまして老人保健福祉計画を策定することになっております。こうした制度の改正は、人口の高齢化が急速に進む中で、介護サービスの整備充実を図る観点から住民に最も身近な市町村において、在宅福祉サービスと施設福祉サービスが一元的に提供できる体制を整備しますとともに、地域のニーズに応じました保健福祉サービスの必要量を明らかにしまして、その供給体制を計画的に整備することを目指すものでございます。 現在、県内の市町村におきましては、改正法の施行に向けた準備を精力的に進めているところでございますが、県といたしましても制度改正が円滑に実施されますように、市町村に対しまして関係課長会議やトップセミナーの開催等を通じ、事務処理体制の確立や市町村規則等の整備の指導、体系的な研修の実施、必要な情報の提供等に努めてきたところでございます。今後とも万全の体制が確保されますように市町村に対しまして適切な助言・指導を行ってまいりたいと考えております。 また、今後健康で生きがいを持ち、安心して暮らせる地域づくりを進めてまいりますためには、市町村の体制の整備とともに、民間福祉活動の中核を担います市町村社会福祉協議会の役割がますます大きくなってまいります。このため、県といたしましては、「ふれあいのまちづくり事業」や「やすらぎのまちづくり事業」、地域福祉基金の活用等を通じまして、市町村社会福祉協議会の支援・育成に努めてまいっているところでございますが、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、福祉マンパワーの確保対策についてでございますが、今後、高齢者保健福祉推進十か年戦略・ゴールドプランに沿いまして、特別養護老人ホーム等の福祉施設の整備やホームヘルパー等の在宅福祉サービスの整備を進めてまいりますと、現在の従事者数を相当上回る福祉マンパワーの確保が必要になると見込んでいるところでございまして、必要な福祉マンパワーを確保するとともに、その資質の向上を図っていくことが本県福祉の向上を進めていく上で極めて重要な課題であるというふうに認識をいたしております。 このため、平成三年度から山形県福祉人材センターを設置しまして、福祉の仕事に関する啓発広報や就業相談等を行うとともに、平成四年九月より労働大臣の許可を得まして福祉の職場への無料職業紹介事業を実施しているところでございます。あわせまして、県の社会福祉研修所において、従事者の資質向上のための研修事業に力を注いでいるところでございます。 さらに、平成五年度におきましては、今後の福祉マンパワー対策を総合的、体系的に進めますために、福祉事業に関する啓発や福祉マンパワーの養成、処遇の向上、福利厚生のあり方、研修の促進等に関します福祉人材確保対策基本指針を策定することにいたしております。こうした施策を通じまして、県民の福祉に関します理解を深めますとともに、福祉従事者の社会的・経済的地位の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。 お尋ねの福祉従事者の退職金の問題についてでございますが、昨年、関係法の改正によりまして、従来の福祉施設職員に加えまして、新たに民間の常勤ホームヘルパーに対する退職手当共済の適用が認められたところでございますが、なお検討すべき課題も残されているところから、福祉人材確保対策基本指針の策定の中で、国の施策の動向等も踏まえながら、研究をしてまいりたいと考えているところでございます。 最後に、障害者福祉対策についてでございますが、本県の障害者対策につきましては、障害者に関する山形県長期計画に基づきまして、関係団体、関係部局などと連携を図りながら、障害者福祉対策を総合的に推進してまいったところでございます。この長期計画が本年度で最終年を迎えますことから、引き続き障害者福祉対策を積極的に推進するために、現在、平成五年度を初年度とします第二次の長期計画の策定を進めているところでございますが、議員御指摘のとおり、輝きのべにばな大会の大きな成果を引き継ぎながら、障害者が障害を持たない人と同じように生活し活動する社会を目指しますノーマライゼーションの理念の一層の定着、浸透を図ることを基本として作業を進めているところでございます。 今後の障害者対策につきましては、新しい長期計画に基づきまして、啓発、まちづくり、福祉、保健・医療、雇用、スポーツ・文化などの分野につきまして、各般の施策を総合的、積極的に推進してまいりたいと考えております。特に、障害者の就労やスポーツ・文化活動を通しまして、積極的に社会参加を促進しますとともに、道路や住宅等の整備の面で、障害者が安心して生活できる配慮の行き届いたまちづくりなどに重点を置きまして、障害者対策を積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
    ○議長(土田啓君) 丸子環境保健部長。 ◎環境保健部長(丸子正司君) 老人訪問看護ステーションの設置状況と課題についてでございますが、御指摘のとおり、平成四年四月に老人訪問看護制度が創設され、本県におきましても新山形県保健医療計画の中でその推進を積極的に図っていくということにいたしております。 本県の老人訪問看護ステーションの設置状況につきましては、昨年十二月に山形に一カ所設置され、現在指定申請中のものも一件あり、近日中に設置される見込みとなっております。また、事業者となり得るもの数カ所からも具体的な相談がまいってきているところでございます。今後、県内各地にバランスよく老人訪問看護ステーションが設置運営され、地域住民の方々のニーズにこたえられるようにしていく必要がございますので、県といたしましては平成五年度に訪問看護需要把握のためのニーズ調査などを行いながら、当面は老人訪問看護ステーションの運営主体となり得る市町村、医療法人、社会福祉法人などに対して広く呼びかけていくことにより、老人訪問看護ステーションの設置促進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 議員仰せの在宅医療ケア事業団設立によるステーションの設置につきましては、これらのステーションの設置状況等を踏まえながら、今後検討していかなければならない課題であると考えているところでございます。 ○議長(土田啓君) 酒井商工労働開発部長。 ◎商工労働開発部長(酒井雅君) 県内経済の現況につきましては、製造業を中心といたしまして依然として停滞が続いておるところでございます。鉱工業生産指数につきましては、平成三年後半から平成四年三月ごろまで急激に低下いたしたわけでございますが、その後一進一退の横ばい状態にございます。また、個人消費につきましても、大型小売店販売額は平成四年前半の前年割れの傾向から七年以降は若干の回復傾向が見られるものの、売り上げは依然として伸び悩んでおりまして、消費態度は慎重なものとなっております。また、雇用の面では新規求人数が電気・一般機械、自動車関連等を中心に製造業で二、三割方前年を下回っておりますことから、有効求人倍率は一月では一・〇八倍、これは平成三年の一・八、一・九倍前後を比較いたしますと大幅に低下をいたしております。 今後の本県経済の見通しにつきましては、今月八日に発表なりました日本銀行の県内企業短期経済観測調査及び商工労働開発部が二月に実施いたしました県内企業の聞き取りの調査の結果によりますと、県内企業経営者の先行きに対する見方というのは、発注企業の在庫調整が終了しつつある、あるいは個人消費の回復期待などから一部に非常に期待感があると、こういうふうなことからそういう考え方もあるわけですが、全体的に見ますと不透明とする、今後の見通しは不透明であるという企業が大勢を占めている現況でございます。 今後の対策につきましては、県といたしましてこれまでも経営安定のための景気対策を強力に実施してまいったわけでございますが、新年度予算におきましても後ろ向き資金につきまして一層の金利引き下げを図るとともに、景気回復期の設備資金需要に対応するため、低利・長期の新たなメニューを加えた制度資金、これを一層充実いたしまして、総枠で百億円の貸付枠というものを計上いたしておるところでございます。また、受注開拓の支援につきましても、県内外企業の発注情報の収集あるいは受注の開拓の強化を図るとともに、関係商工団体等とも連携しながら診断指導を実施することといたしております。 いずれにいたしましても、今回の景気後退につきましては、生産面での調整のみならず消費面あるいは雇用面への影響も出てきているところでございますので、今後の経済動向あるいは国の対応策等十分見きわめながら、適時適切な対応を実施してまいりたいと考えております。 ○議長(土田啓君) 工藤農林水産部長。 ◎農林水産部長(工藤正幸君) 農業振興ビジョンについてのお尋ねでございますが、まず、地帯別の経営体の育成目標の数値化につきましては、県から一方的に何戸と示すというものではなく、モデル例を示しながら集落ごとに合意に基づく目標づくりを進めまして、県といたしましてはそれを積み上げていくということ、また、施策展開の三年から五年という期間につきましては、条件整備に取り上げた事項を重点的に実施していく期間を設定した方がより展開に弾みがつくということ等の考えに立ち策定いたしたところでございます。こうした事業展開によりまして、選別ということではなく集落の意向に沿った形で、かつ農業者の意欲を重視して経営体の育成を支援していきたいと考えているところでございます。 また、農業・農村の果たす役割を広く県民に理解してもらうということの重要性につきましては、ビジョンでも強く意識をしているところでありまして、御指摘の公益的機能のヘドニック法による評価も含め、県民への理解の増進策についてさらに研究してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(土田啓君) 以上をもって本日の日程は終わりました。 明日定刻本会議を開き、議案に対する質疑と県政一般に関する質問をあわせ行います。 本日はこれをもって散会いたします。      午後二時二十五分 散会...